高圧ガスの基礎知識(第9回)

2010年3月9日

消防保安課では「高圧ガス保安法」という法律を所管しています。

 

この法律は高圧ガスの規制や自主保安の取り組みを促進することにより、公共の安全を確保することを目的に制定されています。

このシリーズでは、高圧ガス保安法による規制のあらましや基礎知識に加えて、ちょっと得した気分になる雑学をご紹介しています。

 

第9回目。「燃える」と「爆発」の違いについてお話しです。

 

まず、「燃える」ための条件をお話ししましょう。

燃えるためには3つの条件が必要です。(例外もあります。)

  • 燃える物(難しく言うと可燃性物質)
  • 酸素(難しく言うと支燃性物質)
  • 着火源(難しく言うと着火エネルギー)

この3つが必要で、さらに燃える物と酸素のバランスも必要です。

 

ライターの炎を思い浮かべていただきたいのですが、

 

中には可燃性のガス(液化ガス:忘れた方は第2回参照)

酸素は空気中にふんだんにありますね(約21%)

カチッと石をすりあわせた火花が出ますね(着火源)

 

ライターの炎は「必要な分だけ」可燃性ガスを送り出して、着火エネルギーを与え、周りの酸素を取り込みながら燃えています。

 

この「必要な分だけ」というのが爆発との違いです。

爆発は「必要な分だけ」順々に燃やすのではなく、「一気に燃える」と起こります。

同じ量のガスでも長い時間かけて燃やす場合とあっという間に全部燃やす場合では、瞬間的な熱や光や爆風などは後者の方が大きくなるのはイメージとしてわかりやすいと思います。

 

それではガス爆発を防ぐためにはどうすればよいでしょう。

 

酸素は空気中にいっぱいあるので、可燃性ガスをまず、漏らさないのが一番。もし漏れたとしても、濃くしない(換気や、警報機を設置して少し漏れただけで分かるようにするなど)のが2番。次に濃くなっているところで、着火のきっかけを与えない。ことに注意してくださいね。

 

ご家庭のプロパンガスなども漏れたときに分かるようにニオイを付けているんです。本当はほぼ無臭なんですよ。 それでは、第10回に続き・・・・・・・・・・・・・ません。

 

突然ですが、高圧ガスの基礎知識はとりあえず今回をもって終了です。

 

4月からは「花火の楽しみ方」(仮題)と題して、いろいろな花火の仕組みなどについてお話しします。

 

ご愛読いただいた皆様に感謝です。

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