育児・介護休業法のあらまし

2011年3月31日

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号。以下「育児・介護休業法」といいます。)は、育児又は家族の介護を行う労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるよう支援することによって、その福祉を増進するとともに、あわせて我が国の経済及び社会の発展に資することを目的としています。

 

◆育児・介護休業法改正のポイント(一部を除き平成22年5月30日から施行)

子育てや介護など家庭の状況から時間的制約を抱えている時期の労働者について、仕事と家庭の両立支援を進めていくため、育児・介護休業法が改正されました。

 

1 子育て中の短時間勤務制度及び所定外労働(残業)の免除の義務化

(1)3歳までの子を養育する労働者が希望すれば利用できる短時間勤務制度(1日6時間)を設けることが事業主の義務になります。

(2)3歳までの子を養育する労働者は、請求すれば所定外労働(残業)が免除されます。

 

※短時間勤務制度については、少なくとも「1日6時間」の短時間勤務制度を設けることを義務とする予定ですが、その他にいくつかの短時間勤務のコースを設けることも可能です。

※雇用期間が1年未満の労働者等一定の労働者のうち労使協定により対象外とされた労働者は適用除外。

 

2 子の看護休暇制度の拡充

小学校入学までの子を養育する労働者は、その事業主に申し出ることにより、小学校就学前の子が1人であれば年に5日まで、2人以上であれば年10日まで、病気・けがをした子の看護のために、休暇を取得することができます。

 

3 父親の児休業の取得促進

(1)パパ・ママ育休プラス(父母ともに育児休業を取得する場合の休業可能期間の延長)

母(父)だけでなく父(母)も育児休業を取得する場合、休業可能期間が1歳2か月に達するまで(2か月分は父(母)のプラス分)に延長されます。

※父の場合、育児休業期間の上限は1年間。母の場合、産後休業期間と育児休業期間を合わせて1年間となります。

(2)出産後8週間以内の父親の育児休業取得の促進

配偶者の出産後8週間以内の期間内に、父親が育児休業を取得した場合には、特別な事情がなくても、再度の取得が可能となります。

(3)労使協定による専業主婦(夫)除外規定の廃止

配偶者が専業主婦(夫)であれば育児休業の取得不可とすることができる制度を廃止し、すべての労働者が育児休業を取得できるようになります。

 

4 介護休暇の新設

労働者が申し出ることにより、要介護状態の対象家族が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日、介護休暇を取得できるようになります。

 

※要介護状態とは、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態。

※対象家族とは、配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、父母及び子、配偶者の父母、同居しかつ扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫。

※雇用期間が6か月未満の労働者等一定の労働者のうち労使協定で休暇を取得できないものとされた労働者は適用除外。

※この介護休暇のほか、現行の介護休業(要介護状態にある対象家族1人につき、要介護状態ごとに1回、通算して93日まで取得可能)が取得できます。

 

5 法の実効性の確保

(1)苦情処理・紛争解決の援助及び調停の仕組みの創設

育児休業の取得等に伴う労使間の紛争等について、都道府県労働局長による紛争解決の援助及び調停委員による調停制度を設けます。

(2)勧告に従わない場合の公表制度及び報告を求めた場合に報告をせず、又は虚偽の報告をした者に対する過料の創設

法違反に対する勧告に従わない企業名の公表制度や、虚偽の報告等をした企業に対する過料の制度を設けます。

 

◆改正育児・介護休業法の施行日

*改正法の施行日は、「改正法の公布日(平成21年7月1日)から1年以内の政令で定める(平成22年6月30日)」です。

*ただし、5の法の実効性の確保のうち、調停については、「平成22年4月1日」、その他については「平成21年9月30日」です。

*常時100人以下の労働者を雇用する企業については、1の短時間勤務制度の義務化、所定外労働(残業)の免除の制度化及び4の介護休暇の制度化については、「公布日(平成21年7月1日)から3年以内の政令で定める日」です。

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