ノロウイルスなどの感染性胃腸炎について
ノロウイルスなどの感染性胃腸炎
ノロウイルスなどの感染性胃腸炎に注意しましょう!
感染性胃腸炎は、例年11月から2月にかけて流行しますが、一年を通して発生しています。
また、新たな遺伝子型のノロウイルスの流行が中国・台湾などでも確認されており、今後日本でも大流行する可能性がありますので、感染予防を心がけましょう。
予防として今までのノロウイルス予防対策と同じで、石けんを使った十分な手洗い等や食材の加熱調理を徹底してください。
感染予防と手洗いの仕方や消毒のポイントなど、下記を参考にしてください。
○ノロウイルスとは?
幅広い年齢層において感染性胃腸炎の原因となるウイルスです。 特に冬場に多く発生します。
患者のおう吐物や便中には大量のウイルスが含まれています。
少量のウイルスで人に感染するため、家庭内や職場、集団生活などで感染が起こりやすいので、注意が必要です。
※新規遺伝子型ノロウイルスについては下記のURLを参考にしてください。
新規遺伝子型ノロウイルスGII.P17-GII.17の流行(国立感染症研究所)
○感染経路は?
感染経路は、ほとんどの場合、経口感染(口から体内に入ること)です。
主に次の3つがあります。
- 汚染されていた食品を生又は十分に加熱しないで食べた場合
- 食品を取り扱う人(家庭では調理する人も含む)が感染していた場合で、その人を介して汚染された食品を食べた場合
- 患者のおう吐物や便から二次感染した場合
○潜伏期間
潜伏期間は、24時間から48時間といわれています。
○主な症状は?
主な症状は、吐き気、おう吐、腹痛、下痢で、発熱は軽度です。
通常これらの症状が1~2日続いた後、治ります(後遺症はありません)。
感染しても発症しない場合や、軽いかぜのような症状の場合もあります。
ただし、激しいおう吐や下痢がある場合は、急激に水分を失いますので、特に乳幼児や高齢者は脱水症状に気をつけてください。
また、おう吐物をのどに詰まらせると危険な状態になりますので、注意が必要です。
<予防のポイント>
○食事の際に
- 貝類(二枚貝)はノロウイルスを蓄積していることがあるため、食べる場合は十分に加熱する。(※食品の中心温度85℃以上で1分以上加熱する)
- 調理前・配膳前や食事の前には必ず、手を石けんでよく洗う。
- 調理器具は使用のたびに洗剤などを使用し、食材は十分に加熱する。
○手洗いのポイント
- 手洗いは手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。
- 石けんを使い流水で、手をよく洗います。
- 調理や配膳の前、食事やおやつの前、トイレに行った後、オムツ交換の後、おう吐物を処理した後には、必ずせっけんを使い流水で手を洗いましょう。
※手洗い方法についてはこちらをご覧ください。 ノロウイルスによる胃腸炎に注意してください(徳島保健所)
○おう吐物や便の処理のポイント
患者のおう吐物や便中には、大量のウイルスが含まれています。
おう吐物や便の処理をした人が感染し発症することがよくあります。処理の仕方に注意が必要です。
患者のオムツ交換時も同様です。
<処理の方法>
処理中の感染を防ぐため、最少人数で、短時間で作業する必要があります。
- おう吐物や便の後始末の際には、換気し、使い捨ての手袋とマスク、使い捨てのエプロンを着用しましょう。
※使い捨てのエプロンがない場合は、大きいビニール袋をエプロンの代わりに使うなど、なるべく着衣を覆うようにしましょう。
- おう吐物を拭き取る時は、周囲に広げないよう、中心に向かって拭きます。
おう吐物や便で汚れた床は、拭き取った後、消毒しておきましょう。
スプレーは、ウイルスが舞い上がるので、使わないようにしましょう。
- おう吐や便、それらで汚染された物(オムツも)、拭き取りに使用した布や紙類などは、ビニール袋などに密封して、廃棄しましょう。
後始末の際に使った手袋やマスク、エプロンは、その場で表面を触らないように脱ぎ、ビニール袋に入れて密封し、廃棄します。
これらは、なるべく、共有スペースにとどめておかず、素早く屋外へ出しておくとより安全です。
- 手袋やエプロンを着用したまま移動しないようにしましょう。
○消毒のポイント
・おう吐物で汚れた床は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白液)で浸すようにして拭き取りましょう。
・手すりやドアノブ、蛇口、スイッチなど、人が手で触れるところは、次亜塩素酸ナトリウムで浸した布または紙類で拭き、消毒しましょう
・スプレーは、ウイルスが舞い上がるので、使わないようにしましょう。
ノロウイルスには、アルコールや逆性石けんでは消毒効果がありません。
※逆性石けん…殺菌目的で洗浄力がほとんどなく、一般の細菌等には有効であるが、ウイルスには効果がない石けん。
- 次亜塩素酸ナトリウムは、手指の消毒には使えません。
使用上の注意を守って使用してください。
- 衣類などを加熱消毒する場合は、85℃以上で1分以上、加熱しましょう。
<早めの受診を>
吐き気やおう吐、腹痛、下痢、発熱などの症状がでたら、なるべく早く医療機関を受診しましょう。
特に乳幼児や高齢者は、脱水症状に気をつけてください。
【参考サイト】