Q 農薬を使った履歴はどこまで伝えるべきなのですか

2015年7月1日

HP_Q.jpg 
  農薬を使った履歴は各生産者によって記帳されていると思いますが、消費者にどこまで伝えるべきなのですか。
   ・輸入食品にもつながると思いますが農薬散布回数が何時でも気になります。

  

sudachi_A.jpg
   現時点では、全ての生産情報を農産物に添付し提供することは困難ですが、消費者から生産履歴などの照会があったときは、消費者が必要とする情報についてできるだけ提供できるようにすることが求められています。

 

   農薬の使用状況の記帳は、農林水産省令の「農薬を使用する者が遵守すべき基準」で努力義務として規定されています。徳島県では生産者団体が生産履歴の記帳を推進しており、生産者の意識も高まっています。生産履歴は全て商品とともに消費者に提供することが理想ですが、次のような点から現時点ではできていません。

 

   1  農薬の残留程度や適正に使用されたか否かは「使用した回数」のみで判断することはできません。基本的な事項だけでも「どの作物に」「どんな農薬を」「いつ」「どのくらいの濃度で(どのくらいの量を)」「どんな方法で」「何回使用したか」などがあります。

 

   2  農薬の残留や使用については専門的な知識が必要な部分もあり、単に履歴を列記しても消費者が判断できるとは限りません。正しく理解し判断していただくためには、履歴内容の補足説明が必要となります。

 

   3  農産物は単価が安く、取扱量も膨大であるため、全ての情報を農産物に添付し、補足説明をすることは、新たなコストが発生します。その負担を生産現場にのみ強いることは困難であると考えます。全国ではICタグなどを活用した、新たな情報伝達方法による生産履歴の提供などの取り組みも進められていますが、設備投資や体制整備が必要となるため、すべてこれに切り替えるわけにはいかないのが現状です。

  

生産者の声
   JAグループでは、生産履歴記帳運動を展開しています。この記帳運動は、JAを通じて出荷している全ての品目を対象に取り組むことを目標として進めています。
   その取り組み内容は、
   ・適切な生産基準を設定し
   ・その基準に基づいて適切な生産管理・記帳を行い
   ・出荷する前に記帳内容の確認を行い抽出による農薬残留分析を実施
   ・記帳された農産物を分別出荷管理を行う

   JAの主要品目については、いつ・どこで・どのように・どれだけ生産されたか、また、生産基準に基づいて適切に農薬防除等が行われているかを記帳を通じてチェックできる仕組みとなっています。こうした全ての農家の記帳内容を消費者に伝えるには、コストがかかり過ぎます。

   そのため、記帳した内容に基づき取引先を通じ可能なかぎりの情報が発信できるように取り組んでいます。


食品販売事業者の声
   お客様のみならず、販売する側としても残留農薬にはかなり敏感になっています。生産履歴も大事だと思いますが、一番は生産者の方に農薬使用方法を守っていただくことだと考えています。そして徳島県でも「とくしま安2農産物(安2GAP)認証制度」といった消費者と生産者との間に顔の見える関係を築くことで、「安心」と「信頼」を実感できる仕組みづくりが始まっておりますので、その活動を広めるお手伝いができればと思っております。 

お問い合わせ

消費者くらし安全局安全衛生課
電話:088-621-2110