海が吠えた日 第8回「清流荘」座談会より 津波で家を流された 八十代 男性

2010年1月26日

清流荘での津波体験座談会(平成6年9月3日東の東老人会東クラブ)

 昭和二十一年十二月二十一日未明、大きな地震が揺れだした。家族みんなで近くの観音寺川のそば、Yさんの家の前へ逃げていた。
 地震が治まって、しばらくして、「津波ヤー」という誰かの叫び声を聞いて、そのまま妻と子供を先に、土手の道づたいに灘道の方へ逃げさせた。
 私はすぐに家に引き返して、布団とローソクをもって外へ出てみたら、もう観音寺川の方では、ジャブジャブと波の音がして、津波の第一波が押寄せていた。無我夢中で命からがら妙見さんへと逃げた。
 夜が明けて、家に帰ってみた。家は残っとるぞ!、と喜んだがヌカ喜びだった、屋根はあるが家の中はカラッポ、柱だけが残っていた。波の高さは私の背丈より高く、二メートルぐらいまで来ていた。
 それからが大変だった。地上げして家を建てるまで苦労した。

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妙見さん

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