「1日前プロジェクト」エピソード3  ~早く逃げれば良かった(昭和南海地震)~

2008年10月22日

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(徳島県海部郡 70代 女性)

 

 当時私は16歳。寝入りばな、体を揺さぶられたような気がして目が覚めました。横に姉が寝ていたから、起こそうかと思ったけれど、たいしたことないだろうと思ってね。

 

 しばらくしたら、すごい揺れがはじまって、「家がつぶれたらたいへんだ」と父が言って、素足のまま、親子4人が外へ飛び出しました。

 

 ものすごい揺れだったから、とても立っておれなくて、4人がお互い体を支えるようにして、道路の上へ座ったんです。外は真っ暗で何も見えませんが、家がギシギシ音をたて、「これ、止まるのかなあ」って思いました。

 

 で、ようやく揺れがおさまった時、逃げればいいのに、寒いからと、またみんなで布団の中へ入ったんですよ。それから1、2分ぐらいでしょうか。男の人の声で、「津波が来るぞー」と2回聞こえたのです。父が「早う逃げなんだら、あかん」言うて、親子4人が家の玄関の戸をあけたときには、もう腰まで潮が来ていました。

 

 今なら、布団にもどってしまうなんて考えられませんが、親も津波の経験がなかったからだと思います。

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