高圧ガスの基礎知識(第2回)

2009年11月20日

消防保安課では「高圧ガス保安法」という法律を所管しています。

 

この法律は高圧ガスの規制や自主保安の取り組みを促進することにより、公共の安全を確保することを目的に制定されています。

 

このシリーズでは、高圧ガス保安法による規制のあらましや基礎知識に加えて、ちょっと得した気分になる雑学をご紹介しています。

 

今回は、「高圧ガス」の危険性についてお話をしたいと思います。

 

第1回で、「高圧ガスとは、文字のとおり、「圧力の高いガス」です。」というお話をしました。

 

例えば我々の身の回りにある「空気」も圧力を高くしていけば、高圧ガスになります。毒性のガスを高圧にすれば、毒性の高圧ガスができ、よく燃える(可燃性)ガスを高圧にすれば可燃性の高圧ガスができます。このように圧力を高くする前の「ガス」の性質が高圧ガスの危険性に直結しています。

 

高圧ガスの危険性は

 

「毒性による危険」、「可燃性による危険」、「圧力が高いことによる危険」、「その他の危険」等があります。

 

次回以降順次お話ししてまいりますが、今回は

 

「見た目以上にそこにある」(筆者命名)

 

という危険性についてお話しします。

 

気体(ガス)は、圧力を上げれば上げるほど体積が小さくなります。

 

ボイルの法則というのを覚えておいででしょうか。

 

温度が一定の場合等々の前提はありますが、

 

「圧力×体積(容積)=一定」という法則です。

 

細かい説明は省略しますが、圧力を10倍にすれば体積は10分の1になり、圧力が半分になれば体積は倍になります。

 

最初にかえって、「高圧ガスとは、文字のとおり、「圧力の高いガス」です。」

 

毒性のガス、可燃性のガス、その他のガスにしても高圧ガスの容器の見た目の何倍、何十倍のものがギュギュッと詰まっているかもしれません。

 

ちなみにガスの中にはご家庭のプロパンガスなどのように圧力を高くすると「液体」(液体と気体が共存していて、液化ガスといいます。)になっていくものもあります。

 

物質によって違いますが、例えば「水」

 

水を沸騰させるとたくさん水蒸気が出ますよね。

 

水(液体)18グラム(約18cc)を気体にすると、理論上

 

22.4リットル(22,400cc)にもなります。

 

つまり気体よりも液体の方がギュギュッと詰まってます。

 

というわけで、高圧ガスの危険性をお話しするためには、

 

「見た目以上にそこにある」(くどいようですが筆者命名)

 

という危険性は無視できないものです。

 

第3回に続く

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