震潮記とは?

震潮記
現代語訳「震潮記」表紙

今後30年以内に50パーセント程度の確率で発生が予想されている南海地震は、徳島県内に、揺れや津波による甚大な被害を発生させると想定されています。このような災害に直面した際、被害を最小限に抑えるためには、県民一人ひとりが過去の教訓を学び、それを行動に移すことが重要です。
「震潮記」は、徳島県の南端、高知県との県境にある宍喰(現在の海部郡海陽町宍喰)の元組頭庄屋 田井久左衛門宣辰が安政南海地震・津波(1854年)に遭った当地の状況を記録したもので、この他にも永正(1512年)、慶長(1605年)、宝永(1707年)に起こった津波の記録の写しも含まれています。
先人が苦難の中、後世の人々のためにと書き残した、これらの記録には、現代に生きる私達にとって、地震・津波防災に関する多くの有用な教訓が含まれています。平成18年、田井家の子孫の妻である田井晴代氏により、「震潮記」は現代文に訳され、私達にも容易に読むことができるようになりました。
この連載は、次に来る東南海・南海地震への備えに資するため、田井氏の了解を頂き、「震潮記」現代語訳の全文をご紹介するものです。「震潮記」が、次の南海地震に立ち向かう心構えを養っていただく一助となることを願っております。

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