花火の仕組み その2 打上花火の製造工程(1)

2010年5月31日

読者の皆さんは夏の夜空に輝く打上花火を目にしたり、市販の花火で遊んだりしたことがあるでしょうか?どなたも一度は経験があるものと思います。この連載では、夏の風物詩である花火の仕組みや製法などをご紹介します。

 

第2回目は、花火大会などで目にする打上花火の製造工程についての紹介です。

 

  1. 配合

    花火作りの第一段階です。色々な薬品・金属粉等を決められた配合比どおりに計量し、ふるいを通して混ぜ合わせます。配合する薬品・金属粉の種類と割合によって光・色・音といった花火の観賞の大きな要素が決定されます。ちなみに花火の色は配合する金属粉の炎色反応を利用して出されます。(リアカーなきK村・・・高校のときに化学を習った方であれば聞き覚えがあるでしょうか?)

     

  2. 割薬作り

    花火の玉を空中で割る割薬を作る工程です。割薬用に配合した和剤をノリや水と混ぜて泥状にしたものをモミ殻などに吹き付けて乾燥させます。割薬は大きな破壊力を持つものであるため、製作は慎重に行われます。

     

  3. 星作り

    花火の主役である星を作る工程です。星作りは、通常、和剤にノリを入れ練って固める方法が取られます。ただし、練った和剤をいきなり大きく丸めるわけではありません。菜種粒や砂粒のような小さな核を中心にして和剤をノリで練ったものに乾燥した和剤の粉をまぶして乾かし、乾かしてはまぶし・・・という作業を何回も繰り返して星を大きくしていきます。このとき配合の異なる和剤を重ねることで、燃焼中に色の変わる変化星を作ることができます。星が一斉に点火され、一斉に消えることがきれいな花火の条件ですが、そのためには星がきれいな球状であること、また一つ一つの星の大きさが揃っていることが重要となります。星の出来が花火の出来の大きな部分を左右することになるため、花火師はこの星作りの工程に精魂を傾けます。

     

長くなりそうなので、今回はここまで。次回も製造工程についてのご紹介です。

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